kopachi's everyday

ゲームクリエイターとして働く、コパチ太郎の毎日をお伝えします。

2009年度ゲーム大賞に「デモンズソウル」

アメリカのゲームサイトでの2009年度ゲーム大賞に日本のゲームであるPS3用ソフト「デモンズソウル」が選ばれた。
日本のゲームとしては快挙である。
http://www.gamespot.com/best-of/game-of-the-year/index.html?page=1

しかも、これが「続編物」ではなく完全「オリジナル」だからすごい。
まあ、日本ではあまり売れていないゲームだが
コパチはPS3で真っ先に買ったゲームがこれだ。

この受賞に関して、全くの異論はないし
日本のゲーム雑誌メーカーなども必ず取り上げて欲しい作品である。
残念ながら、日本のゲーム雑誌はゲーム会社と癒着しており
例え「つまらなくても」「面白い」と書かなくてはいけない契約があり
ホントにメディアとしては腐っている。

このデモンズソウルは本当に素晴らしい。
あくまでも一人用で遊ぶことを貫いており
ネットワークで協力するでもなく対戦するでもない。
厳密にいえば、ネットワーク「協力」プレイはあるのだが
一緒に遊んだりするわけではなく
あくまで自分個人の努力や鍛錬に生かされることしか
協力を生まないことも大きなポイントだ。
協力と言っても他のプレイヤーが死んだところを観察できるだけ。
他のプレイヤーがどのように死んだのかを観察することで
それを自分に生かすために「考えなくては」いけない。
ここが重要である。

近年のゲームは誰でもクリアできるように
難易度を下げて、クリアした後の「やりこみ」要素を増やして対応させて来た。
この作品はあくまでも「クリア」を目的として
「クリア」までの試行錯誤を楽しむ古き良き昔のゲーム設計になっていて
絶妙な難易度でクリアまでに導くのが本当にうまい。

確か最近発売された「なんとかファンタジー13」に見習って欲しい点である。

色んな考え方があって良いけど
ゲームってクリアするまでが大事だと思う。
で、その過程で試行錯誤して学んだり発見したりすることがさらに重要だと思う。

もし、難易度を落としてみんながみんな大学に入ってしまったら
何のための大学かわからない。
確かに大学は入ってからが大事なんだけど学歴社会をオイラは肯定する理由として
それだけ耐えて来たわけだからストレス耐性に優れて
働きアリのように動いてくれる証明となるんだからそれはそれで良いと思う。

ゲームっていつの間にか誰でもクリアできるようになってしまい
ただの時間つぶしになってきている。

ゲームから学べることはたくさんあった。
スーパーマリオ」では頑張って練習して覚えればクリアできるという
「頑張ること」を教えてもらえた。
ゼルダの伝説」では、少しの「ヒント」から何を「想像するか?」を学んだ。
タクティクスオウガ」では、生きる上での人生観や宗教観や国という概念を学んだ。
ストリートファイター2」では「人」と「人」同士の戦うことへの難しさや
考え方、勝利への美的感覚を学んだ。

そういう部分で、ゲームから学ぶものは実は多い。

近年の作品はゲームから学ぶというより
人間がコントロールされている部分が多くあり非常に気持ち悪い。

WiiFitでは体重をコントロールされて食生活をも注意される。
本来、自分で管理しなくてはいけないことを機械に任せてしまっている。
ある程度は、機械に任せるのは構わない。
体重計へ毎日乗って、体重の管理は良いだろう。
しかし、そこからなぜ運動をしなくてはならないのか?

体重が増える原因について教わろうと思ったり
そういう新たな好奇心を生む要素が無いことに危機感を覚える。

「体重が増えたなあ」→「昨日は何か食べたかなあ?」→「そういえばビールを飲んだなあ」→
→「ちょっとむくんでいるのかな?」→「むくみは心臓が原因かな?もしくは腎臓かな?もしかして蛋白質が少ないのかな?」→「少し食生活を改善しよう」

蛋白質ってなんだっけ?
炭水化物ってなんだっけ?
脂質ってなんだっけ?
アミノ酸ってなんだっけ?
じゃあ、どれを食べれば良いのかなあ?」
ここまで導いて欲しいのである。

それを全部機械が管理してしまうと何のために人が生きているのかわからなくなる。
人は「考えて」「自分の意思」で行動する生き物だからである。
それが無くなってしまっては「人」である意味がない。

みんなが全員そうとは思わないが
デモンズソウル」を遊んだ人と
「なんとかファンタジー13」を遊んだ人では
決定的に何か違うような気がしてならない。

それが悪いとは言わないが
「それでホントに良いの?」とだけ思う。

まあ、なんにせよデモンズソウルが世界的に認められたことは日本として大きな功績である。

これからも続編に頼らず斬新なアイディアを持った作品を多く作って欲しいと切に願う。